食事および排尿制限に関する MRI/CT/超音波検査 共通の注意事項 

  1. 食事制限
    腹部・骨盤および造影検査を受ける方
    腹部・骨盤の場合は検査6時間前、部位に限らず造影検査を受けられる方は4時間前より食事制限があります。水やお茶(糖が含まれない)などの水分制限はありません。
  2. 排尿制限
    骨盤(膀胱、子宮、卵巣、前立腺)の検査を受ける方
    検査予約の1時間前より排尿制限があります。我慢するのが難しい場合は排尿しても構いませんが、検査前に300ml程度の水やお茶を飲んでいただきます。

MRI検査に関する注意事項

MRI検査は放射線を使用せず非常に安全な検査ですが、強い磁力を利用するため様々な注意が必要です。下記に該当する方はMRI検査を受けられないこともありますので事前にスタッフへお伝えください。

① 心臓ペースメーカーが体内に埋め込まれている方
② 人工内耳,人工中耳の方
③ 眼や肺に微細な金属片が入っている方、または可能性がある方
④ 妊娠初期(13週未満)、または妊娠の可能性がある方
⑤ チタン製以外の脳動脈クリップまたは金属製のボルトが入っている方
⑥ 避妊リングを体内に入れている方
⑦ 内視鏡用の止血クリップが体内に残っているまたはその可能性がある方
⑧ 広範囲に刺青のある方
⑨ 閉所恐怖症の可能性がある方

  1. 絶対禁忌事項 : ①〜④
    MRI検査を行うことができません。
  2. 相対禁忌事項 : ⑤〜⑦
    ⑤ 2000年以前の手術によって人工物が体内に埋め込まれている場合、基本的にMRI検査をお勧めしません。但し、手術をされた病院で材質の確認ができる場合もありますのでご相談ください。
    ⑥⑦ MRI対応の場合もありますのでご相談ください。
  3. 検査中断事項 : ⑧⑨
    ⑧刺青・アートメイクに含まれる鉄粉は、MRIで使用するラジオ波によって発熱する可能性があります。熱を強く感じる場合は、検査を中断することがありますので、お渡しのブザーを押してください。
  4. その他の注意事項
    1. 化粧品には磁性体が含まれているもの(マスカラ・アイライン・アイブロウ・アイシャドウ等)があります。稀ですが画像への影響や、目の粘膜を傷つけることもあるため出来れば付けずに来院してください。
    2. カラーコンタクトレンズには金属が使われている場合がありますので検査前に外していただきます。
    3. 金属を身に付けていると検査に支障をきたすだけでなく、金属が装置に吸着するので大変危険です。また、下着の金属ワイヤーが入っているブラジャーやボディスーツ等を身に付けて検査を行うことはできませんのでお着替えいただきます。
    4. ジェルネイル・マグネットネイルに金属が含まれている場合、発熱(火傷)などの可能性があります。 検査が出来ない場合がありますので、出来れば付けずにご来院ください。
  5. 常用薬
    主治医の指示に従ってください。腹部や骨盤の検査を受ける方は鉄剤や鉄が含まれるサプリメントなどの服用を前日から控えてください。

造影検査に関するポリシー・注意事項など

当院で使用する造影剤についてのご案内です。造影剤の使用により特定の画像検査の診断精度を向上させることができます。造影検査の実施については体制の観点で一部予約に制限がありますので、お問い合わせ下さい。

  1. 造影剤の副作用歴
    副作用の程度を問わず禁忌となります。単純検査に変更、ないしはCT・MRIの造影検査を入れ替えるなどの相談が必要となります。
  2. 気管支喘息
    成人発症の喘息は原則禁忌となります。ただし治癒した小児喘息に関しては造影可能です。
    咳喘息については、喘鳴や呼吸困難などの発作症状の既往がなく、わずかなリスク上昇をご理解いただいた上で、本人が造影検査を希望している場合には、副作用に注意して検査を実施します。
  3. 腎機能低下
    CT・MRIともにeGFR 30未満は禁忌、eGFRが30-45では臨床的に判断しヨード造影剤を適正量に調整することがあります。3ヶ月以内の腎機能検査(Cr値)結果があれば必ず記載ください。
  4. 透析中の方
    腎性全身性線維症の可能性がありMRI造影検査(Gd製剤)は禁忌となります。CT造影検査について制限はありません。
  5. 妊婦の方
    原則は禁忌となり、当院では対応できません。
  6. 授乳中の方
    母乳への移行は極めて少量であることから基本的に制限はありませんが、心配な場合には24時間の授乳中断(ボースデル内用液は48時間)をお勧めします。
  7. ビグアナイド系糖尿病薬
    腎機能低下(eGFR60未満)を認め、造影CT検査を希望される方については、副作用である乳酸アシドーシス発症回避のために、検査日および前後2日間を含む計5日間のビグアナイド系糖尿病薬の休薬をお願いしています。
  8. 褐色細胞腫の疑い、重症筋無力症
    造影CT検査は原則禁忌となり、単純CTないしはMRIに変更するなどの相談が必要になります。

緊急性を必要とする有害反応とその対処

一般的にCTやMRI検査で使用する造影剤は副作用の少ない安全な薬ですが、他の薬と同様に稀にアレルギー反応を示す場合があります。

  1. 造影CTの場合
    使用薬剤:イオパミロン(非イオン系ヨード造影剤)/静脈注射(バイエル薬品株式会社)
    軽度…蕁麻疹・くしゃみ・かゆみ・頭痛・吐き気・嘔吐など(約5%)
    重度…呼吸困難・ショック(約0.04%)・心停止(0.002%)・死亡(約0.0002% ; 検査50万回に1回程度)
  2. 造影MRIの場合
    使用薬剤:プリモビスト(ガドリニウム製剤)/経静脈投与(バイエル薬品株式会社)
    軽度…蕁麻疹・くしゃみ・かゆみ・頭痛・吐き気・嘔吐など(約0.2%)
    重度…呼吸困難・意識障害・血圧低下など(約0.00025~0.0005%)・死亡(約0.0001%)
  3. ③ MRCP(MR胆管膵管撮影)検査の場合
    使用薬剤:ボースデル内用液10(塩化マンガン四水和物内用液)/経口投与(協和キリン株式会社)
    0.1〜5%未満:軟便・下痢・腹痛・腹鳴・悪心・腹部膨満・眠気・頭痛・血清鉄低下・血清フェリチン低下

万が一検査中に体調に異常を認めた場合は直ちに検査を中止します。副作用が生じた場合は、医師・看護師によって直ちに治療できるように体制を整えています。稀に検査数日後に副作用が現れることがあり、ほとんどの場合は一時的ですが、ご心配の場合には当院ないしはロコクリニック中目黒に連絡をください。なお、過去に副作用の既往があった場合は、必ず検査の前に医師にお伝えください。

※ 造影剤の血管外漏出について
疾患の特徴を捉えるために造影剤を急速に静脈内に注入する場合があります。この際、造影剤が血管の外に漏れてしまい注射部位の腫れや痛みを伴うことがあります。少量の造影剤が漏れた場合は自然に吸収されますが、大量に漏れた場合は処置が必要になることもあります。

臨床研究に関するオプトアウトについて

オプトアウトとは,臨床研究のうち観察研究(対象となる患者様の診療データのみを匿名化して使用する研究)においては、患者様に対して研究を目的とした積極的な侵襲や介入がないことから、国が定めた倫理指針「対象となる患者様から必ずしも直接同意を得る必要はない」とされています。また同時に、「研究の目的や実施についての情報・通知または公開することや可能な限り拒否の機会を保障する事が必要」ともされております。このような手法を「オプトアウト」と言います。

以上を踏まえて、臨床研究のために患者様ご自身のデータが使用されることを望まれない場合やご不明な点がございましたら、当院スタッフまでお声かけ下さい。